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CD文化

今日はちょっとCDの話を書こうと思います。今週はカレンダーが4連休なので、週末日記は、またちょこちょこ更新しますね✨
長くなるので、「ぷらんぷらーん」という楽な気持ちの時に読んでください☆
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先日、母に今回のCDを聴いてもらいました。母はフルート奏者なのですが、CDを聴いた感想を聞いてみたら、一言「うーん、わからない」と言ったんですね。なので、「そう!わからないが正解!ママの音楽の聴き方で、このCDを聴いたら、さっぱりわからないと思うよ。」と話したんです。
このCDに入っている曲は、この曲を聴いている時に、何かその人にヒントになるものや、何かのきっかけが芽生えるといいなと思って作っているので、聴く人によってはさっぱりわからない。音構成もシンプルだし。でも別の聴く人にとっては、何かを始めるきっかけだったりとか、何かがひらめいたりとか、何かを思い出したりとか、頭の中にある何かがうずいたりとか、そういうインスピレーションが生まれて、その人の思う良い方向性に向かったら最高だなと思って出しているのよ。説明文もね、あえて何も書いてないのも、その人の創造力の邪魔をしたくないからだよ。と伝えたら、「ああ、なるほどね」と納得していました。
前にインスタグラムの投稿記事で、ストリーミングメディアの音楽とCDの音楽は、別の文化の匂いがする、と書いたと思うのですが、今日はその気持ちを書きたいと思います。

もう亡くなった私の祖父は、長年バイオリン演奏と指揮者をやっていたのですが、音楽を引退して60歳から陶芸を始めました。私が生まれた時には、既に陶芸のおじいちゃんだったので、クラシック音楽にはうるさい怖い人、と言う印象でしたが苦笑。1つの作品を作るのに、設計図から書き始めて、土を何時間も練って、それはそれは途方もくれそうな位の時間をかけて、丁寧に作品を作っていました。一時期は、NHKの趣味の講座番組に登場したとも聞きました。今でも実家の庭には、信楽焼を焼く窯と、陶芸の教室が残っており、叔父も神戸で備前焼の窯元をやっているので、庭の一角には、信楽焼と備前焼を並べた小さなギャラリーがあるんですね。で、そのギャラリーに並べられる、1つ1つ大事に作った作品が、例えば他の食器とともに、一緒くたにレストランや食堂で使われていたら、私はあまり嬉しいとは感じないのです。もちろんレストランオーナーの想いがあって、「どうしてもこのお皿を使いたい」というような話なら別ですが。これが人によっては、「50も60も売れて使ってもらえるなんて、ありがたいじゃないか!」と思う人もいると思うのですが、作り手としては、50も60も同じものを作るなんて面白くもない。ましてや、他のものとごちゃごちゃまとめられて使われるなんて、冗談じゃないと思ったりするわけです。

音楽も同じで、アーティストは自分なりの思いで、1つ1つの曲に魂を入れて作っているので、他の作品と一緒くたにして聴かれたくない、と誰しも思っていると思います。そして、聴く側にしても、レコードやCDを購入する時って、そのアーティストの曲が好きだから購入すると思いますが、それだけではなく、その曲を購入する時に自分が置かれていた状況とか、そういう自分の歴史が重なるので、大人になってからとか、晩年になってから、昔の曲を聞いて「ああ、懐かしい思い出だな」とか「あの頃あんなこと考えていたな」とか、自分の歴史を振り返りながら聴くので、その曲に対する思い入れが強かったりすると思うのですよね。そういう思い入れが強い曲って、街中で流れた曲じゃなくて、自分でちゃんと購入した曲だと思うのです。

何が言いたいかというと、ストリーミングメディアやYoutubeでランダムに流れる音楽だと、「いいよね」と一瞬共感するのだけれども、全てが流れていってしまう。人々の心にいつまでも残り続けずに流れてしまうので、同じ曲を提供しても、どちらが良い悪いではなくて、ストリーミングメディアとCDは、別の文化だなと思っています。もちろん、ストリーミングを購入いただいて、何度も聴いていただくのはありがたいと思っています。ただ、なんて言うんでしょうか、携帯電話アプリやストリーミング専用プレイヤーで聴くのと、CDジャケットとかを見ながらCDプレイヤーで音楽を聴くのでは、同じ曲でも、感じる体験とか気持ちがぜんぜん違う。ティーパックのお茶を飲むのと、ティーポットに茶葉を入れて飲むのとの違いでしょうか、分かりにくい例えかもしれませんね。更に長くなるので、その話はまたどこかで話したいと思います。
本当はKonnoitoの曲は、ストリーミングメディアよりも、CDをかけるような落ち着く時間を用意して、自分を振り返ったりする時間に使ってもらえると良いなと思っています。むしろ音楽を聴くより、今だからこそ、そういう自分と向き合う時間をつくってもらえるといいなあ、なんて。

このCDが、皆さんが何かをしたり、新しいアイデアを思いついたり、自分が大事にしている何かを振り返るきっかけになってもらえたら、本当にすごく嬉しいと思っています。今色んなことが敏感になっている世の中だと思いますが、みんな自分なりにできる範囲で頑張っていて、それがなかなか見えにくいし、コロナ禍で近況を伝えたりアホな話をしたりする機会が少なくなってきているので、こういうときには、楽しい未来を見据えて、静かに自身の心を大事にする時間が持てたらよいなと思います✨
ものから伝わるエネルギーがきっかけで、お手に取られた方に楽しいことが生まれることを心から願っています☆
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by konnoito | 2021-07-22 05:43 | 曲紹介

作曲した曲の内容を中心に書いていきたいと思います


by Konnoito